コーラ白書
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対決!「日英ベッカムボトル(缶)対決」

中本 晋輔

流石に半年近く経つとあれほど熱狂的だったサッカーW杯もずいぶん昔のことのように思える。いろいろな記憶が色褪せる中で、しかしいまだに衰えぬ人気を持つものもある。例えばイングランド代表の主将、デビット・ベッカム。デフォルトで「様」付けで呼ばれる彼の人気は今も健在で、それは彼を起用したコマーシャルがこの冬2本も登場することからも伺える。

この人気をCoca-ColaとPEPSIが見逃すはずはない。今回は日英で発売されたベッカム関係のボトル(缶)を取り上げたい。

英コカ・コーラはW杯に際し記念ボトル(全4種類)をリリースした。このボトルセットはイングランド代表の人気選手を網羅するもので、われらがベッカム様はその#1のど真ん中に登場している。このシリーズは330mlのコンツールボトル全体がラミネート加工されており、ボトル全面にグラフィックが入っているのが特徴だ。

そして特筆すべきはそのセンスの良さ。コカ・コーラレッドをベースに白で選手を描いたこのデザインはボトルネックのイングランド旗とマッチし、まったく違和感を覚えさせない。またボトル下部の金色のコンツールカーブとサッカーボールが絶妙なアクセントとなっていて、4色で印刷されたとは思えないビビッドな印象を与える。

一方ペプシは、日本でベッカムデザインのボトル缶2種類を発売。キャッチコピーもずばり「PEPSI X BECKHAM」。サッカーチームの一員というよりむしろベッカムというキャラクターを前面に押し出した点でコカ・コーラと一線を画する。ユニフォームも「Team PEPSI」ものになっている。

Team PEPSI はW杯スポンサーのコカ・コーラに対抗すべく98年に結成されたサッカーチーム。この他リバウドやオルテガなど錚々たるメンバーが揃う。といっても実際に試合をするわけではなく、ペプシの宣伝を目的とした言わば架空のサッカーチームである。

イングランドの国旗を意識してかペプシとしては珍しく赤と白を基調としたデザインで、ペプシブルーはロゴとベッカム本人に使われているのみ。グラフィックはドリブルする姿のほかにアップのプロフィールもあり、ここまで来るとスターのブロマイドのようだ。「I LOVE JAPAN」というリップサービス満点のセリフも見逃せない。

今回の対決は、デザインの完成度の高さでコカ・コーラに分がある。PEPSIもデザインのセンスは悪くないが、やや安易な部分が見受けられたのが残念だ。ただデザインの安易さは日本のコカ・コーラにも当てはまることで、特にW杯ボトルの出来はかなりいまいちだった(開催国なのに!)。今後イギリスのボトルくらいのハイレベルなボトルが発売されることを期待したい。