コーラ津々浦々 サンフランシスコ・ヨセミテ編
中本晋輔

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2004/09/12 6:00-

目覚ましに起こされる。サマータイムで外はまだ薄暗い。

荷造りをすませ、1FのDenny'sで朝食を取る。All American Slamなるものを注文すると、皿一杯にハッシュドブラウン、スクランブルエッグ、ベーコン、ウィンナーが供され、名に恥じぬ内容に嬉しくなる。注意深くミルクを砂糖を調整したコーヒーにウェイトレスが前触れなくコーヒーを注ぎ、妻が悲しそうな顔をする。

2004/09/12 8:00-

まだ人の少ないFラインでAmtrakのバス乗り場に向かうと、直前で電車が止まる。周りには大勢の人だかりで、線路にバリケードが敷かれている。何事かと身を乗り出してみると、目の前を自転車の一団が凄い勢いで通り過ぎた。後で、今日が2004 T-MOBILE INTERNATIONALという有名な自転車レースの日であることを地球の歩き方で知る。

街頭の巨大なLCDがトップ集団とアナウンサーを交互に映しているが、問題はそのLCDがAmtrakのバス乗り場に設置してあることだ。係員に付いて、レースコースを何度か横断しながら仮バス停まで歩かされる。

バスで橋を渡り、対岸のEmellivile駅で列車に乗り換える。列車が後ろ向きにやってきて、どこかで方向転換するのかと思ったら、ずっとそのまま走って行ってしまう。Amtrakは乗るたびに何か驚きがある。

2004/09/11 14:10-

9年ぶりにHanfordの駅に足を下ろす。

留学時代のHost mother, Marieとの再会をしばし楽しみ、我が第二の故郷Visaliaへ向かう。砂っぽい道や乾燥地帯特有のくすんだ緑の広大な畑、遠くに霞むSierra Nevadaなど、昔見た風景がそのまま残っている。1時間ほどで家に付き、Host father, Jeffの出迎えを受ける。昔は熊のようだったが、いまはヒグマのよう。ダイエットペプシを飲んでいるが、焼け石に水だ。

リビングでお互い近況について報告しあう。変ったこと、変らないことがあって、私が変らないでほしかったことの多くが後者に含まれることを確認し、とても嬉しく思う。10年の隔たりは、会って話せば2時間くらいで埋まってしまうものらしい。

「まだコーラ集めてるのか」と言われ、私がこの10年で進歩してないことに気づく。

2004/09/12 18:00-

夕食を食べに姉ちゃんがやってくる。サイズが約倍になっていて、今回の旅行で一番びっくりする。肉とマッシュドポテ、サラダの懐かしい夕食。会話の流れが政治方面になり、ブッシュかケリーかで夫婦の意見が対立する。二人から意見を求められ、客に値上げを告げに行くように言葉を選んで慎重に対応する。

食後に大量のクリームの乗ったアップルパイが出る。これを毎日食うと、10年で倍になるのだろう。アップルパイの器が昔と同じ、という些細なことが嬉しい。ホストファーザーが私の高校の頃のビデオを持ってきて、みんなで見る。妻大喜びだが、こちらとしては法事で親戚に昔のことを話されるようでたいへんこそばゆい。

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