コーラ白書
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飛行機は順調にタイランド湾を縦断し、2時間弱でスワンナプーム国際空港に着陸した。チャンギとはまた違う刺激的な食物の香りを含んだ空港の空気に、バンコクに着いたことを実感する。夜10時を回っているのに空港はずいぶん混雑していて、その多くは大きな荷物を持った旅行者だ。

前回バンコクを訪れたのは2年前、コロナの渡航制限が明けてすぐの頃だった。タイ入国のためにワクチン接種証明書を取り寄せ、また帰国のために陰性証明を即日発行できるクリニックを探し回ったのは懐かしい思い出だ。現在はコロナ関連の書類はおろか入国カードすら廃止され、今や日本人がタイ入国に求められるのはパスポートとボーディングパスのみだ。

深夜のビッグC

エアポートレールリンクに乗り、バンコクの中心地へ。パタヤイでの乗り換えに少し時間がかかりそうなので、散歩がてら一つ前のラーチャブラロップ駅で降りてホテルまで歩くことにした。この辺りは小さな商店が並び、その前に雑貨を扱う露店が軒を連ねる昔の雰囲気を残す街並みだ。

5分ほど歩いてペッブリー通りの交差点を抜けると、街の様相は一変する。高層ビルや高級ホテルが立ち並び、道路に沿って屋根付きのペデストリアンデッキが続く。その先にはバンコク最大級のショッピングモール、Central Worldがある。

Central World壁一面に並ぶ巨大なデジタルサイネージは圧巻で、ダイナミックなCM映像が通りを明るく照らしている。Nintendo Switchやサムソンの携帯などのブランドに混じって、Coca-Cola Zero Sugar やシンハーのフレーバーソーダのCMが頻繁に流れる。商品サイクルが短く集中した販促が必要な清涼飲料は、デジタル広告と相性が良いのだろう。意外だったのがCoca-Cola Zero SugarとOREOのジョイントCMで、ビビッドな赤と青のコントラストが美しく大通りを照らしていた。

Central Worldの対面のビル2階には、食品から家電まで幅広く扱う巨大スーパー「ビッグC Supercenter ラチャダムリ」がある。こちらは深夜2時まで営業。煌々と輝く黄色い看板に誘われ、コーラを探しにふらふらと入ってしまった。

広大な店内は深夜にも関わらず多くの買い物客でごった返していた。入り口近くにはタイの特産品を集めたコーナーがあり、お土産目当ての観光客が集まっている。お土産とお菓子のエリアを抜け、中央奥の清涼飲料の棚にたどり着く。広大な売り場はまるでコーラの壁のようだ。

ただ売り場の広さの割りには商品の品ぞろえはそれほど多くない。おそらく大量に仕入れて安く売るタイプのスーパーなのだろう。一方で同じ商品のパッケージのラインナップは豊富で、PEPSIだけでも標準の345ml缶に加えて280ml缶、410mlPET、550ml PET, 1000ml PET, 1.5l PETの6種類。これほどに細かい容量のニーズがあるのだろうか?

もう時刻は深夜を回っている。旅はまだ長い。とりあえずEst Sugar FreeとPEPSIの325ml缶を購入し袋をガサガサさせながらホテルへと向かった。

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