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![]() 中本 晋輔
北急の終点・千里中央からモノレールに揺られる事約5分、我々は万博公園に到着した。当日は秋晴れで絶好の行楽日和、そのためか駅は怒涛のごとき人々で溢れかえっていた。その人々の半分以上が我々と同じ目的地を目指してた事が判明するのはそれからすぐの事であった。橋を渡ってすぐのゲートで入場料150円を払い中に入ると目の前に巨大なモニュメントが威嚇するかのようにそびえている。隣で二宮(仮)が「岡本太郎の像や!」と叫んでいたが、それはちょっと違うぞ (註1)。 はたして我々の向かう会場「おまつり広場」はその巨大モニュメントの裏側にあった。いつもは寂れた駐車場のような広場には柵が張りめぐらされ、中はブース(店)と買い物客でごった返していた。入り口には30mくらいの列ができていていらちな私はいきなり挫けそうになったが、流れはスムーズですぐにレジにたどり着いた。入場料350円を払い、中にはいる。と、すぐ横の売店で CONTINENTAL COLA が市価の5倍ぐらいの値段で売られているのが目に入り、少し心が痛んだ。 気をとり直して歩きだしてみる。 とにかく凄い店の数である。 資料によると今回参加のブースは約300、そのへんの百貨店よりずっと多い。店の種類もさまざまで、家の粗大ゴミをかき集めてきたようなとこから膨大な量の衣類を並べた本格的な店までまさに何でもあり状態である。ここには「定価」や「生産コスト」といった言葉の居場所はなく、純粋な需要と供給のバランスですべてのものの値段が決められている。欲しいものが少し高いと思えばフリマの醍醐味、値段交渉を楽しむこともできる。中にはとんでもない掘り出し物もあるわけで、そういう我々も品物との一期一会の出会いを求めて来たわけだ。 しばらく流していると、ある雑貨系ブースのガラクタ箱の中にコカ・コーラのロゴを見つけた。良く見てみるとそれはずしりと重い真鍮製のキーホルダーで、裏にコカ・コーラ生誕100周年のマークの彫られているノベルティグッズらしい。値段を聞くと50円とのことで、すぐに購入。幸先のよいスタートとなった。
さらにその横の雑貨ブースでずっと探していた コカ・コーラ1リットルのガラスボトル を発見。値段は1500円と激しくインフレしていたが、欲しいものはしょうがない。値切りに値切って1000円で購入。隣でやや退屈そうな二ノ宮(仮)を尻目に私は貴重なコーラグッズを入手することができて大満足であった。 その他今回の収穫は次のようなものであった。
思いもよらないものが思いもよらない値段で手に入るフリーマーケット。この規模のものであれば丸一日十分楽しめてしまう。最近は結構頻繁に開催されているので、貴方もモノとの運命の出会いを求めて一度足を運んでみてはいかがだろうか? ただし、帰りの切符は先に買っておいたほうがいいぞ。 註1:「太陽の塔」が正解で、岡本太郎は製作者である。「誤差範囲やろ、似てるし。」とは中橋の弁。 [四季報 1999年1月号] [コーラ白書] [HELP] - [English Top] Copyright (C) 1997-2000 Shinsuke Nakamoto, Ichiro Nakahashi. |