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中本 晋輔
そして店の真中にはコカ・コーラの流通モノのコーナーが設置されていた。「流通モノ」とは現在製造されているコカ・コーラグッズのことで、この店ではヴィンテージと厳密に区別されている。
また店の奥にはコカ・コーラのヴィンテージがガラス棚にカテゴリー別にディスプレイされていた。こちらは商品の陳列というよりは展示に近い形式で、初心者でも分かりやすいようにアイテムごとに説明が加えられている[写真]。
一通り店内を見たところで倉庫のほうへ。話によると近くの貸し倉庫一部屋をまるまるコカ・コーラヴィンテージ用に使用しているという。一体どれほどのアイテムがあるのか検討つかず期待より不安が先行する我々を尻目に福田さんはにこにこしながら案内してくれた。 はたして倉庫は、まさにコカ・コーラヴィンテージで埋まっていた。6畳ほどの空間の中にコカ・コーラと名のつくものがひたすら詰め込まれているその光景に、我々はまた言葉を失ってしまった。とにかく凄い量だ。 Red Barn2Fのミュージアムと比較して、ボトル類がかなり充実している。特に記念ボトルは全て中身入り・紙ケース入り6本パックで揃っていた(コーラの紙ケースはそれだけでもアンティークとして人気があるのだ)。また後ろの棚には日本になかなか入ってこない、大型のヴィンテージグッズが無造作に並べられている。 この中でも特に目を引いたものをいくつかピックアップしてみた
店頭ディスプレイ用に作られたhobbleskirtタイプのボトル。日本でもプラスチック製の貯金箱で似たようなものがあるが、こちらはガラス製。かなりのレアアイテムとのこと。
★ ★ ★ 帰り道、思い切ってに尋ねてみた。これだけのコレクションを持ちながら、何故泉大津で店を始めたのか。東京や大阪で店を出せばかなりの反響になることは間違いないのに・・。 「いや、自宅がここだったもので」 な、なるほど。なんとなく納得してしまった私に、オーナーはこう続ける。 「古いものって、日本ではあまり評価されていないでしょう。特に大阪の人は新しいものが好きだから、ヴィンテージに対する理解は東京より5年は遅れていると思うんです。私達はここで世間より10年進んだことをやっているつもりなんですよ」 時代に媚びる必要はない、何故なら自分達のほうが前にいるのだから。これだけの信念をもっている福田さんにとって、店の場所など些細な問題だったのではないだろうか。 「Red Barn」の取材を通して感じられたのは、「本物」に対する圧倒的なこだわりであった。モノに対する妥協を許さない姿勢があったからこそ、これほどのクオリティのヴィンテージ・コレクションが実現し得たのだろう。もし貴方がヴィンテージに興味があるのなら、是非一度足を運んでみていただきたい。彼らのこだわりを堪能することが出来るだろうから。 |
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[四季報 2000年10月号] [コーラ白書] - [English Top] |