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![]() なかはしいちろう この連載やコーラ図書室でこれまで紹介してきたように、コカ・コーラに関する著作は少なくない。しかしそれらはいずれもコカ・コーラを神格化するか、あるいは忌み嫌うか、とにかく大脳辺縁系的な情動がむき出しになっており、率直に言えば読んでいてあまり楽しくない。なんだか夫婦喧嘩を傍観する時のような、湿っぽい居心地の悪さがあるのだ。 そんな中、例外的に冷静な目でコカ・コーラ社の経営手法を分析したのが本書である。コカ・コーラを世界随一のブランドに育て上げた手段、それを可能にした社会情勢などを、豊富な資料を用いて丹念に分析している。特に、コカ・コーラ草創期に関する記述は「コカ・コーラ帝国の興亡」にも詳しいが、本書はより日本人向けに整理されており、非常に分かりやすい。 というわけで、これは本コーナ久々(始まって以来?)のお勧めである。経営学の参考書として書かれた本であるが、コーラの歴史に興味があれば、普通の読み物としても楽しめるだろう。2005年7月現在、書店で入手可能な模様。
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